いきなりのことで頭がついていかない。




そういえばここが何処かもよく分かってなかったんだよね。




いいタイミングで深寿さんが着物を持って入ってきた。




深寿さんの持ってる着物を見てから、三篠は私の方を振り向いた。




「…俺の国を見せてやる」




「俺…の国……?」




三篠の国があるの?




三篠の表情は誇らしげで、どこか嬉しそうだった。




「…ここは俺が治める混妖の住まう国だ」




目覚めてから約一時間弱。




私は自分のいるところが三篠の国だと初めて知った。