「…私は三篠が無事ならそれでいいです。
それに深寿さんの作戦があったからこそ、私は三篠への気持ちに気付くことができた。
だから深寿さんには感謝の気持ちしかありません」




深寿さんの手をそっと握る。




すると深寿さんは大粒の涙を流して、私に抱きついてきた。




「…鵺姫様ぁー!なんとお優しい方なのですか!この深寿、涙が止まりませぬ」




深寿さんって外見はすごく大人っぽいけど、中身は意外と恋バナが好きな少女みたいだな。




深寿さんに抱き締められていると、いきなり背後から引っ張られて深寿さんと剥がされた。




「おい、深寿!俺の小雛に気安く触るな」




三篠が私の腰に腕を回して、しっかりと抱き締めている。




三篠は育ての親の深寿さんでさえも嫉妬するんだ。




なんだかおかしくて深寿さんと見つめ合って笑ってしまった。




三篠を見ると、三篠は頬を赤くしてそっぽを向いている。