「…三篠がしばらく鵺姫様に会わなかったのも、作戦の内でございます。
忙しいように見せておこうと……
まさか三篠が鵺姫様を貧血にさせるほど血を吸ってしまうとは思わず、何度お詫びしてもしきれないほどでございます」




そして深寿さんは土下座をしていた。




「…小雛、俺は深寿に乗せられてやっただけで、本当はやりたくなかったんだ」




「嘘おっしゃい!三篠も乗り気だったじゃない!
わたくしが提案したら面白そうだと言ったじゃない!そもそもこの作戦を承認したのは三篠なのよ!?」




私が放心状態でいる間に、2人は親子喧嘩のような会話をしていた。




「…あ、あの……深寿さんはどうしてこんな作戦を…?」




それだけ気になったので聞いてみた。




深寿さんは最早涙目で三篠と言い合っていたけど、私の質問に頬を染めた。




「…それはもちろん三篠の育ての親として、お二人を早くくっつけたかったからでございます」




な、なんだろう……
深寿さんから母性愛を感じる。




深寿さんは私と三篠のために考えてくれてたんだよね。




それに真実を聞いても私に怒りという感情はなかった。