「…え、あ、いや……実はな……」




説明しようとしても、口ごもり中々言えずにいる三篠。




そんな三篠に呆れてため息をつく深寿さん。



「…三篠、わたくしから説明するわ」




深寿さんはそう言うと、正座し直して私の方を向いた。




すると次の瞬間には深寿さんは深々と頭を下げた。




「…鵺姫様、申し訳ございませんでした」




「えぇ!?な、なんで深寿さんが謝るんですか!?」




慌てて頭を上げるように言っても、深寿さんは頭を下げたまま。




「…実は三篠が血塗れで倒れていたのは、演技だったのです」




「…え、演技……?」




私が言葉を繰り返すと、深寿さんは頭を下げたままコクリと頷いた。




「…三篠が早く鵺姫様の力を覚醒させたいと相談してきたものですから、育ての親として何か手助けをしたいと思いまして……
鵺姫様が見た血塗れの三篠は私が作り出した幻。
そして鵺姫様が三篠に血を飲ませ、力を覚醒させようという作戦だったのです」




「さ、作戦……?
じゃ、じゃあ三篠が意識を失って倒れていたのも、実は意識が普通にあって倒れただけってことですか……?」




頭の中を整理するように言うと、深寿さんは渋々頷いた。




じゃあ、三篠はピンピンしてたってことなんだ。