慌てぶりにおかしくて笑ってしまう。
「…そんなに慌てなくても大丈夫だよ?三篠」
息が荒く、遠くから早足で来たのだと分かる。
深寿さんはまたクスクスと笑っている。
私の顔を見て安心したのか、三篠はホッと息をついて私を抱き締めてきた。
育ての親の深寿さんの前で抱き締められて恥ずかしかったけど、とても嬉しかった。
私のことなんかよりも心配なのは……
「…それよりも三篠は?
かなり傷が重症だったけど、大丈夫なの?」
怪我をしていた腕とお腹を見る。
でも傷跡は残ってなくて、綺麗に治っていた。
すごい。
鵺姫の血ってこんな完璧に傷を治してしまうんだ。
かなり多量の血を与えて貧血にはなったけど、結果三篠も無事だったし良かった。
なんて自己解決してると、三篠が浮かない顔をしていた。
「……三篠?どうしたの、そんな浮かない顔して…」
私の言葉にビクッと動いた三篠。
何かを隠しているようで怪しい。