冷たくて心地いい風が頬を撫でる。
誰か髪を梳かれている感じがして、目が覚めた。
目を開けて最初に視界に入ったのは、綺麗に手入れされた庭園だった。
そして私は柔らかい枕に頭を乗せているのだと分かる。
「…あら、気が付かれました?」
いや、枕じゃなかった。
声のする方を向くと、綺麗な顔立ちをした美人な女性が微笑んでいた。
え、私、この人に膝枕されてるの?
深緑色のサラサラとした髪に桃色の透き通った瞳。
あまりの美しさにずっと目を合わせていられなくて、恥ずかしくなってしまう。
なんだか美しい人にばかり出会うな。
「…時々魘されるているようでしたけど、大丈夫でしたか?」
「……え、あ、はい」
そう、それは良かった。
女性は安心してまた微笑んだ。