また夢を見た。
でも前とは違う夢。
一面真っ白の空間にいるのは、女性と思われる人。
視界がぼやけてよく見えないけど、白髪に紅い眼をしているのが分かる。
『…ほほう。主はあの半妖を妖王に選ぶのか』
その人の表情は分からないけど、ふっと笑う声が聞こえた。
…選ぶ?どういうことなの?
そう声に出して聞こうと思ったけど、声が出せない。
『…クククッ。これは面白いことになりそうじゃな。
純妖の妖王を捨て、混妖の妖王を選ぶとは。主も中々に変わった奴よの』
女性はふっと笑って私に背を向けて、歩き出した。
ちょっと待って!どういう意味か教えてよ!
手を伸ばすけど、女性に届くはずもない。
すると女性は足を止めて、また私の方を振り向いた。