「…最近、人間界への妖怪の出入りが多くなっています。
それは人間界と妖怪の世界を繋ぐ鏡が繋がったことと、鵺姫の力が覚醒しかけていたことが原因なんです。
三篠様は誰かが傷つくなら自分が傷つくというお方でして、小雛様を狙う妖怪は全てご自分で片付けると言って聞かなくて…
いくら強い三篠様でも無数の妖怪を相手になんて敵いません。無理をし過ぎなんです、三篠様は……」
じゃあ、三篠の着物についていた赤い何かって血……?
妖怪の返り血?それとも三篠の?
どちらにしても三篠は私を守るためにたくさん傷ついたんだ。
『安心しろ。俺がお前を守る。今日みたいな痛い目には絶対遭わせない』
三篠が言った言葉を思い出す。
何が絶対守る、よ。
三篠がそんなに傷つくほど守って欲しいなんて思わない。
例え三篠に守ってもらっても、あなたがいないなんて意味ないんだよ。
あなたには守るものがたくさんあるんだよ?
だからこんなところで死なないで…!
そんなことを考えていると神社に着き、拝殿に辿り着いた。