「…ねぇ。紅葉は白鵺って巫女を見たことある?」
妖怪って長生きするらしいから、紅葉は見たことあるかなって思って聞いてみた。
でも紅葉は首を横に振った。
「…いいえ。私はまだ数百年しか生きてませんので、お会いしたことはございませぬ。
ですが、お話しでは聞いたことがございます。妖王と匹敵、あるいはそれ以上に強く、白鵺の身に誰も傷つけることが出来ないとか妖怪最強の妖王でさえも」
「…よ、妖怪最強の妖王でも!?」
そ、そんな強い人が私の先祖なの!?
また非現実的で信じられないけど、妖怪が血の薄くなった子孫の私でさえ狙うんだから、きっと相当強いんだよね。
でも最強の妖王でさえ白鵺を傷つけられないって、白鵺は一応人間だよね?
なんだか人間離れの人だな……
「…小雛様が遠くにいる妖怪を見たというのも、白鵺の持っていた力の一つだと言われてます。その名も千里眼!」