紅葉が私の護衛を担当して、一日が経った。
紅葉は何をするにも可愛くて、自然と頬が緩む。
一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たりと一日でかなり仲良くなった。
楽しくて、つい紅葉を九尾の妖狐だと忘れてしまうくらい。
ベッドでスヤスヤ眠る紅葉の頬を触る。
「……ん…」
軽く突ついたつもりが、紅葉を起こしてしまった。
「…ごめんね、紅葉。起こしちゃったね」
「……ん、こひな……しゃま…?」
紅葉におはよと挨拶すると、覚醒した紅葉が目に見えぬスピードで床に正座した。
「も、申し訳ございませぬ!小雛様よりも遅く起きるなど、護衛としてとんでもない失態を…!」
「…気にしないで。私が少し早く起きちゃっただけだから」
紅葉の頭を優しく撫でる。
紅葉は頬を赤くして俯いている。