【side 三篠】
「…はぁ、どうしたものか」
やっと愛しの小雛と会えたものの、小雛は自分が鵺姫と信じていない。
まぁ、俺の告白には顔を赤くしていたから良しとするか。
いや、良くないか。
あの母親に付けられてるお守りをいつも拒んでいる。
それは自分がまだ鵺姫だと理解していない証拠。
無理もないか。
まだ鵺姫としての能力が覚醒してないからな。
小雛の周りの1日観察していたが、妖怪の匂いがした。
小雛の周りに集まり出している、妖怪が。
鵺姫の放つ匂いは妖怪が好物とする匂い。
年を食えば食うほどに濃くなる。
今あのお守りを神社以外の場所で外してしまったら、小雛は妖怪の餌食となる。
それだけは阻止しないと。