シュボッ




と音が出そうなほどに顔が熱くなる。




あ、愛してる!?
わ、私を!?




体内の水分が沸騰しそうなほどに体が熱い。




こう言われたら、私はどうしたらいいの?




こんなこと言われたの初めてだから、分からない。




「…そうだな。人間のお前に惚れたら、そのお前がたまたま鵺姫だったってことか。
それほどまでに俺は人間のお前を愛してる。




だが、俺には鵺姫のお前も必要なんだ。
妖王になるには鵺姫が必要だ」




「……よう……おう?」




いつの間にか腰に回っていた三篠の手を解いて、距離をとる。




三篠は一瞬表情を曇らせたが、やがて首を傾げた。




「…妖王とは妖怪の王のことだ。
お前、母親から何も聞いてないのか?」




思い出した。
妖王のことは何となくだけど、お母さんから聞いていた。




あと私がお母さんから聞いたのは、私が鵺姫ということ。




鵺姫の血肉は妖怪にとって強力な力であること、それくらい。




妖王になるためには鵺姫が必要なの?