するとキッチンにいたお母さんがトーストの乗ったお皿を持って現れた。
「…だって今日は起こしてなんて頼まれてないもの」
わっ!なんて酷い母親なの!?
お母さんが持っていたお皿からトーストを奪って頬張る。
そしてオレンジジュースを一気飲みする。
「雛姉(ひなねえ)、そんな急いで食うと太るぜ?」
「……ゔっ!」
焦げ茶の髪に黒い瞳、小5の弟・大地(だいち)の一言のせいでオレンジジュースを吐きそうになった。
「…大地!あなたなんてこと言うのよ!」
手の甲で口についたオレンジジュースを拭う。
大地はニヤリと笑ってる。
「だって早食いはデブの元って言うだろ?」
こいつ………!
普通姉にそんなこと言うか!?
一発叩いてやろうかと思っていると、パコンッとスリッパで叩かれるいい音がした。
「…大地……雛姉に失礼」