携帯のアラームで目が覚めた。
起きると手を天井に向けて伸ばしてた。
あれ、また夢を見てたの?
でもなんの夢だったのか思い出せない。
分かるのはいつもこうして手を伸ばして目を覚ますこと。
にしても何回も見る夢ってどんなだったんだろう……
なんて思いながらふと時計を見る。
時計を見た瞬間、そんな夢のことなんて忘れてしまう。
「……やば!遅刻する!」
慌てて髪を頭の上で一つに縛り、制服に着替える。
縁側を走って居間へと向かう。
ドンッ
「ちょっとお母さん!起きてこなかったら起こしてっていつも言ってるじゃん!」
キッチンに聞こえるように大声を出す。