見惚れていたせいで、三篠が息のかかるくらい近くにいたことに気付くのが遅くなった。
「…何をそんなに見つめている?
俺に惚れたか?」
んなっ!?
なんてことをサラッと言うの!この人は!
あ、人じゃなかった。半妖だった。
「…べ、別にあなたに惚れたからって見てたわけじゃないから!」
慌てて三篠と距離をとる。
三篠はクスクス笑っている。
完全にからかわれてる。
私は顔が赤くなりつつも、羞恥を隠すようにして部屋を出た。
朝食を食べている時も、三篠は私の傍にいて大地や来海を見てた。
大地や来海、そしてお母さん達には三篠が見えていないようで無反応だった。