なんか紅葉のキャラが変わった気がするけど、そこは触れずに私は紅葉に目線を合わせた。
「…私の真似をして生活するんて大変だったでしょ?
私のことあまりよく知らないのに、ごめんね?」
紅葉に申し訳なさそうに言ったけど、紅葉はそれをアッサリと否定した。
「小雛様の真似は完璧でございます!
毎日リピートして見ておりましたから!」
「…へ?なにを?」
リピートして見てた?
理解出来ない言葉に思わずすぐに聞いてしまった。
素直な紅葉は笑顔で答えてくれた。
「鏡から見える小雛様の人間界でのご様子を三篠様がビデオに残し、真似出来るようにとあらかじめ言われていたのです!
ですから小雛様の仕草、体を洗う順番、下着のつけ方など完璧にマスターして人間界に来たのでご安心ください!」
「いや、安心出来ない!」
即突っ込んじゃったけど、これは突っ込まずにはいられない。
だって紅葉はなんて言ったの?
私の仕草や体を洗う順番、下着のつけ方を完璧にマスターした?
これをビデオで何回も見てたってことは、三篠も見たってことでしょ!?
チラッと三篠を見ると、三篠と目が合いニヤリと笑う。
「……あれで飯五杯はいけるな」
消えたくなった。
聞いた瞬間何かもを投げ出して消えたくなった。
好きな人にお風呂に入るところを見られ(=裸を見られる)、着替えシーンも見られた。
こんな羞恥プレイ聞いたことない。
何も聞きたくなくてしゃがみ込んで耳を塞いだ。
それをいいことに三篠と紅葉は、私の体のことやお風呂シーンのことを話していた。
誰か、誰かこの二人を止めて。
二人を止めてくれたのは、意外な人だった。