それを見た三篠が私の隣でため息をついた。
「こいつは第三臣下の氷雨(ひさめ)。
雪女と天狗の混妖だ」
雪女。よく聞く名前。
だから目が氷のように透き通ってて綺麗なんだ。
ジッと氷雨さんを見ていると、またギロッと睨まれた。
氷雨さんをよく見ると、確かに背中に黒い翼があった。
「三篠様?あたしは紹介してなんて言ってませんけど」
「小雛は大事な鵺姫だ。六臣を紹介するのは当然だ」
三篠に言われ返す言葉がないのか、氷雨さんはそっぽを向いた。
でもその頬は少し赤くなってるような気がした。
「…小雛。こいつらが俺の臣下だ。
何かあった時、お前を命がけで守る。
俺がいない時はこいつらを頼れ」
私は三篠を見てから、改めて六臣のみんなを見渡す。
桔梗さんに瑠璃葉、鬼灯に人間界にいる紅葉。
そして龍夢さんに氷雨さん。
三篠はこの人達に守られて、一緒に戦ってるんだね。
「鵺姫の織原小雛です。よろしくお願いします」
私は自ら鵺姫と名乗り、頭を下げた。