あの日 君と歩いたこの道を あの言葉を
私は今でも覚えてる
◆ ◆ ◆ ◆
私は 鏡の前で制服のリボンを整えている。
なんてったって
今日は待ちに待った 高校生
髪は 左側の横髪を
三つ編みにしてしばってる。
そう、まさにアシンメトリーっていうのは
おいといて
早く出ないとまずい
私は部屋を出て ものすごい勢いで
階段を下りてく というより、
ほぼ転がりながら玄関に到着する。
リビングから ママの怒鳴り声が
聞こえた気がするけど
そんなのお構いなしで
「よしっ行こう!!」
ややドアに激突しつつ 家を出た
◇◆ ◇◆
道を歩いていると
私と同じ制服を着た人が
うじゃうじゃいる
そりゃそうだよ 入学式だもん
そう思っていると 目の前には
あいつがいた
すごく大きくて ながーい
高校を行くには 必ず通らなきゃいけない
ぬりかべ (妖怪の名)
いや 正式名称は 「 坂 」
こいつのせいで たくさんの人が
足止めをくらっている
ふっ だが私は小さい頃からこの坂に
TRYしてきている。
もうコツは覚えた
これから同級生になるであろう諸君
先に行かせてもらおう
私は心の中でそう叫び 足にグッと
力を入れ 走る体勢をとった。
いちについてよ~い ドン!!
頭の中で鳴った ピストルの音と
ともに走り出した。
周りの風景が
電車のように過ぎ去って・・・・
・・行くはずもなく
せいぜい電動車椅子くらいで
私は全力で走っていた。
なめてもらっては困る
50m走10秒は 余裕に超えている。
そんな私が走っていると
ふいに足元がグラついた。
体は 前のめりに倒れていく
私が 地面に近づいていく間 下を見ると
私の足は 性格が悪いのか
思わぬ方向へと曲がっていた。
「骨 お、おれ・・」
そう言う間もなく 地面に大の字で
「ぬぎゃ!」
と変な声発し 倒れた
う、やばいこれはやばすぎるぞ 私
痛い いろんな意味で痛いよ
それもそのはず 足は痛くて当然だけど
ニヤリと笑ったJKが
走って数秒で 倒れたんだから
周りを通る人は コソコソとしゃべり
大爆笑する声もする
けれど こんなことで めげたりしない
よいしょっと上半身を 起き上がらせて
手で足を触った
「結構痛いな これ」
すると 手が出てきた
もちろん 私の前から
「え?」
私が 顔を上げると 人が立っていた。
同じ制服を着た人が・・・・