幼なじみなのだ、と足立くんは弁当の唐揚げを飲み込んでから語った。
続いて、身も蓋もないことをさらりと言ってくる。

「こいつ、友達できなさそうだろ」
「いや、そんなことないと思うけど・・・」
「できないんだよ、オドオドするから。で、都合良く俺がいるから、いつもこっち来るわけ」
「渡部さん、そんなこと言われてるけどーーー」
「実里くんって、友達できなさそうでしょう」
「えっ、まあそれはそうーーーいや、そんなことないと思うけど・・・」
「小さい時から中二病こじらせてますから。孤独な自分がかっこいいと思ってるんです」

どうすりゃいいの、私。
こんな水面下の争い勃発させられても。
二人とも表情に感情が出てないのが怖い。
とりあえず、二人が気心知れた仲だということと、足立くんがイタい人だというのが分かった。

「まあいいじゃん。仲良くしようよ、二人とも。友達はいらないなら作らなきゃ良いと思うし、いるんなら私がいるから!」
「はい、よろしくお願いします!」
「なんか偉そうなのが腹立つなおまえ」
「ひどい・・・あのねえ足立くん。クラスのカーストは顔だけじゃ決まらないんだよ?コミュ力で決まってるんだよ!私、その様子を見るに足立くんよりは地位が上かなって思いますー!」
「お前程度のコミュ力よりどう考えても俺の顔面の方が勝ってるだろ」
「いろいろとひどい」
「実里くん、やめてあげてください」

渡部さんはけなげにフォローしてくれる。