ガチャ。

母さんが新しい我が家の玄関を開けた。

今日から、この新しい家に住むことになった。
ここは私の生まれた街から少し離れた場所だ。
親が離婚し、引っ越すことになってしまったのだ。

私は坂口亜己。春から高校2年生になる。髪は黒のストレートで肩より少し長いくらい。まぁ、はたから見たらごく普通の高校生だ。

母「ほら、亜己!ぼ〜っとしてないで手伝いなさい!!」

亜「はいよ〜、今行くって…。」

私の母、坂口麻理子は、凜虎の3代目元女総長……とゆーことで、とても怖い。母に逆らうことは、自殺に等しい行為なのだ。

母「荷物運び終わったらお隣に挨拶いくわよ。」

とても面倒くさいのだが、しかたなく私もついていくことにした。

ピンポーン
母「こんにちは。隣に引っ越してきた坂口です。ご挨拶に参りました。」
ガチャ
おばさん「まぁ!麻理子ちゃん!!お久しぶりねぇ。覚えてる?」
母「ぇ……あぁっ!由美ちゃん?!
ねぇ、亜己!分かる?ほら、あんたが小2の時に引越しちゃった和樹くんの…」

あぁ、和樹……覚えてる。
近くのマンションに住んでいて、幼稚園からずっと一緒に遊んでいた。
勉強も運動も、なんでも2人で勝負していた。和樹はいつも私に負けて、よく泣いていた。
……懐かしいな。

その後、しばらくおばさん2人は話をして、今晩は夕飯をご馳走になることになったらしい。
…ってことは、和樹にも会えるのかな?