ふと授業終了のチャイムが鳴った。



「もう、こんな時間か…」


屋上と離れるのはさみしいが仕方ない。そろそろプレハブに行かねば。




プレハブは屋上から渡り廊下を渡って行く。
その際に自分のクラスの前(今は元クラスなのか?)を通るので困難。



「よう、イッシー。」


案の定、伊藤星七に絡まれた…。





「な、なに…。」
「どうよ、新しい教室は。」



バカにしたようなその目つきは見ているだけで腹が立った。

わたしのての力は次第に強まる。



「まだ、プレハブでは授業を受けていないので、いい場所かどうかは、わらかない…。」


「まあ、そうだろうな!!お前みたいなやつの為に教師なんかが動くわけねぇだろーしな!!」








まあ、確かに。




と共感してしまった。





たかが私のためだけに動くような優しい教師はこの学校にはいない。
そもそもカウセリングの先生だって、保健の先生だって、事の重大さをわかっていない。






よくこれで生徒も自殺しないもんだ。



「お前ってかわいそうなやつだよなぁ~。生まれつきか?その顔面。」




「…」



伊藤星七は続ける。



「お前を産んだ母親も母親だな!!」



わたしがこんな顔に産まれてきただろうと、なんだろうと、伊藤星七には関係ないし、お母さんなんてもっと関係ない。



「じゃあ…」



やめた方がよかった。


あとで後悔するのは自分なのに。



なのにわたしの口は止まらなかった。




「じゃあ、あんたのその顔面も親からの貰い物?親が気持ち悪いから、あんたもそんな顔面なの?」



伊藤星七の表情は一変していた。



「お前…」



「殴るなら殴れば。殺したいなら殺せば。わたしは何されたって大丈夫な覚悟はとっくにできてる。あんたと違って強いから。」



本当にやめればよかったのに、と後悔するばかりだったが、もう人生終わらせてもいいと思ったがために、止まらなかった。



「最後に言うけど、もう変に関わらないで。というか、」





腹パン?顔面パンチ?みぞ?



もうなんでもいいや。ここまで来ると死にたくなってきた。




「関わるな。」




そういい終わったあと、わたしは即その場を離れた。


追いかけてくるかもと思いながら、必死にプレハブまで走った。

なんかあった時のため、いちよカウセリング室と、職員室と、保健室の前を通った。