ーsideユウキー

ピアノコンクールの件が落ち着き、1週間が過ぎた頃、俺宛に手紙が届いた。だが、その内容はあり得ない事が書かれていた。

…見合い?…ふざけるな。

その手紙を握りつぶして、手紙の差出人に電話を掛けた。…相手が出ると開口一番俺は

「今、手紙見たけど、何?俺の意思は無視?…今までほったらかして何親ぶってんるんだ!」電話の相手は母親。俺がまだ小さい頃、仕事にかまかけて俺とユミをほったらかした張本人。

『貴方、ライトベルトの嫡男なのよ?甘えた事言わないの。』…はぁ?

「俺やユミが小さい時、ほったらかした張本人がよく言うな。…それとも何?そんなに《公爵家》が大事?」

『…』黙ったし。たたみかけて俺は

「見合いは絶対しないから。」そう言って電話を切った。…事態、最悪だな。

「俺にとって将来を過ごしたい相手はミリヤ、君しか考えられないんだ。」そんな言葉が無意識に出た。