弾き終わり、席から立つとお兄さま、ユウキの二人は悲しい目をしていた。

「聞いていて、凄く悲しい。」ポツリとお兄さまが言う。

PVの内容を聞くと、納得したような顔をしていた。

突然お兄さまが


「ミリヤ、ピアノコンクール出てみないか?」と言った。

…………えっ?

「お兄さま、何を…」びっくりし過ぎてわたしはよろめいていた。

よろめいたわたしをユウキが支えてくれた。

わたしはユウキの胸に顔を埋めて、落ち着こうとした。

…でも落ち着かない。

……怖いよ。ユウキ…。