暫く、団長は考えて
「…確かに。過剰反応を示す事に繋がるな…日本に居た時何があったが調べてみる。」そう言い、ミリヤを頼む、と残し部屋を後にした。
俺は姫様を見ながら
「……姫様、何かが姫様を苦しむ事が有れば私の誇りに掛け、お守り致します。」その誓いの声は誰も聞くことは無かった。
この気持ち、日に日に膨らんで抑えなければならないのに抑えるのが辛くなる。
姫様を見る俺の目は愛おしい者を見る目だったのは誰も知らない。
ーsideアレスー
俺はミリヤが日本に居た時の事を、特に対人、ピアノに関する事を重点的に探していた。
「───ッ!!これは!!…だからか。」衝撃的な内容だった。
ミリヤが七歳の時、ピアノに魅せられて弾き始めた時、初めてでは考えられない腕でピアノを習っていた別のこどもにいじめを受けていた。…と言うことだった。
「──才能の嫉妬、か。非凡の才能と言うのも苦労があるんだな…」…俺もそうだ。〝王子〟だから出来て当然。そんな世界にいる。
「ミリヤはプールにトラウマあり、か。…学院に言わなければな。」