「姫様、私もユウキと同じ思いを持っております。」エル…。ありがとう。ミリヤも分かったのか
「ありがとうございます。」と言ってフワッと微笑んだ。…違和感がある。愛想笑い…ミリヤの心が溶けるのはまだ遠いか。
「さてと、ディナー、行くか。」そう言ってミリヤを食堂へ連れていった。
ーミリヤが眠った後。ー
俺はさっきの愛想笑いの事を父上たちに話していた。
「──そうですか。」母上は悲しげに顔を俯かせた。
「本で読んだ事があります。…施設から引き取られた児童が自分が傷付くのを恐れて人から距離を置くことがあると。…ミリヤはその状態ではないのでしょうか?」俺は言うと父上は
「何か方法は無いのか?」と言った。
「ミリヤが『この人は信じて大丈夫だ。』と判断するまでは安心出来る場所を作る…位だと思います。」俺はそう言った。
「ありがとう。何かミリヤについて分かったら言ってくれ」と父上に言われ、「はい。」と言うと俺はその場を後にした。