俺はミリヤの背中をトントンと優しく叩き何でミリヤはあんなことを言ったのか考えていた。

…あの騎士の言葉か。『偽物』その言葉、あれがミリヤを苦しめてるんだ。…証明出来れば良いのか。

「ミリヤ。左腕の二の腕に古傷、あるだろう?」ミリヤはビクッとしたが、頷いた。

「どうしてそれを…」ミリヤが来ているワンピースは長袖。二の腕は見えない。

「ミリヤがまだ赤ちゃんの時、ミリヤがハイハイし始めた位に俺が誤って適当に置いてしまったナイフがミリヤの二の腕に傷を付けたんだ。あの時しっかりナイフを安全な所に置いとけばミリヤは怪我しないですんだんだ。…父上からミリヤの傷は2度と消えない。そう言われた時子供ながら何て事をしたんだと思った。ミリヤ、ごめんな?」傷の真相を話し、俺は続けて

「この事は王族と王族の主治医しか知らない。…世間にも公表してない事だよ。…それでも不安?」そう言うとミリヤは顔を横に振り、

「…お兄さま、謝らないで下さい。…お兄さまだってその時はまだ2、3歳の子供だったのでしょう?」そうミリヤは言った。…傷があるだろう場所を触りながら

「この古傷が出来た理由が分かってわたしは安心しているのですから」