どれくらいたったんだろう?


私はやっと泣き止んだ。


私が泣いている間
聡はずっと私を
抱き締めてくれていた。


周りから見たら
私たち怪しかったよね…?


「やっと泣き止んだ。
奈美って泣き虫だったっけ?」


「泣き虫なんかじゃないし!
嬉し泣きしちゃっただけ。」


「そんなにうれしかったのか?
かわいいとこあるじゃん☆」


そう言った聡の
笑顔にやられた。


『かわいい』という言葉に
まだ慣れてなくて
私は照れて思わず下を向いた。


「そういうところも
かわいいんだよな。」


「かわいいとか
恥ずかしいし。」


「ホントのこと言ったら
ダメなのかよ。」


「ダメじゃないけど…」


「けど何?(笑)」


そう言って
私の顔をのぞきこんできた。