『ピピピピ…』
目覚ましの音と同時に私はそっと目を開いた。カーテンを開けると雲一つない青空が高校生活スタートするわたしを迎えてくれた。
わたしの名前は、桜井葵。
中学校時代は、人見知りで友達も少なかった私は歌を歌うことや詩を書くことが大好きだ。
そんなわたしだか、見事私立高校に合格し今日から新しい生活が始まろうとしていた。
『お母さん!いってきます!』
『葵!朝ごはんは?おにぎりもってきなさい!』
初日なのに、バタバタしているわたしだがお母さんが作ってくれたおにぎりを持って玄関を出た。
『やっぱり、外は気持ちいな〜』
雲一つ無い青空に小鳥の声と春の風に
包まれた葵はそっとイヤホンを耳にし
歩きだした。

その時だった。思いっきりわたしの背中に何かがあたった。
『いった〜。何なのよ』イヤホンをとり後ろをみた私の前に立っていたのは、短髪でとても笑顔の爽やかな彼だった。
『ごめん!ボールけってたらつい本気になっちゃって…怪我してない?』
『大丈夫です。いくらサッカー好きだからってこんな所でやらなくても…』
なんて思いながら、イヤホンをつけ歩きだそうとした時だ。
『ねえ!一緒に学校いかない?』
『え…私と?』
『うん!あ、俺の名前は、青木あきら!サッカー部に入部しようと思ってるんだ!よろしくね!』
『ちなみにわたしの名前は、桜井葵です。歌を歌うことや、詩を書くことが大好きです』
『葵ちゃんね!よろしく!歌うたえるなんて凄いな〜俺音痴だからさ〜』
なんか、褒められるの久々だなあ。なんて思いながらそんな彼と桜満開の正門を一緒に入っていった。
その時だ。『きゃー!あきらくんだ!』
何人もの女子がわたしを飛ばして行くように彼を囲んだ。
『なんか初日からやっかいな人と出会っちゃったな〜』
そう思いながら、私は静かにその場を去った。