「本当にいいんですか?」

「ああ、もう美優には会わねぇ」



これ以上美優を傷つけたくねぇしな…


「わりぃけど、婚約は無しにしてくれ」


「…はい」



昂は切なそうに笑う


俺は結局皆を傷つけたんだなぁ…
それが妙に笑えて悲しい




「じゃあ、もう時間だからいくな?」



車を発車しようとすると


「待ってっ!」


俺はついに錯覚がみえるようになったみたいだ

美優がこっちに近づいてくる


「勝手にどこかに行こうとしないでよっ!」


「美優…」



なんでお前は泣いているんだ?


「貴方が…私のお父さんなら勝手に何処かに行かないでっ!」


「美優、まさか見たのか?」



美優は小さくうなずく

「嘘だろ…まじカッコワリィ…」



今の俺、顔真っ赤だ…