「だっ、だめ……!」


すでに力なんか入らなくて、抵抗なんか出来ないくせに。これからどうされて、どうなってしまうのか未知数で。
思わず雪生のTシャツの袖口を掴んだのだけど。


「――美希の肌、白くて滑らか」
「……っ」


敏感なわたしは、ほんの少しの雪生の動きで声を上げそうになっていて。
また慌てて口を抑えると、雪生がまた囁く。


「抑えないで、聞かせて?」


そんなの、ムリッ……‼

ふるふると、目を瞑ったまま首を横に振る。
いままで感じたことない、感覚……! 例えようがない、不思議な――。


「……こんなに。オレに感じてくれてて、気が狂いそ……」


蜜を含んだ妖艶な声。
身体の中心はきゅう、と締め付けられ、心臓は飛び出てしまいそう。頭の奥は甘く痺れて、自分の声すら制御できない。

――もしかして、そういうわたしに気付いてるの?


遠のきそうな意識を辛うじて保っていると、魅惑の場所へといざなわれていくような――。