食堂に辿り着き、うどん定食を一つ注文した由希とお昼ご飯を黙々と食べていると、

「あ、そういや心。久瀬先輩の誘い断ったんだってね」

「……えっ」

いきなり予想外な事を聞かれあたしは口の中に含んでいたお茶を思わず噴き出してしまいそうになった。

「な、何で知ってるの!?」

「んー?秀斗先輩から聞いたー」

「え。…何で秀斗先輩が知ってるの」

「さあ?久瀬先輩が言ったんじゃない?ってか、あんたが久瀬先輩の誘いを断るなんて珍しいじゃない」

「いや、その、…まあ。予定が空いてなくて」

「ふーん。何が何でも行きそうな感じなのにね、久瀬先輩となら」

「ああうん、まあそうだね」

「もー、久瀬先輩から誘われるなんてまず無い事だよ!久瀬先輩が女の子誘ってるところなんて見た事ないし。もしかしたら久瀬先輩、心に気でもあるんじゃないの?」

「は!?無い無い無い。有り得ない」

「分からないじゃん、そんなの」

「いや、絶対にないよ」