決して、矢沢君を避けたいわけじゃない。

むしろ、矢沢君の顔を見て、会って、話がしたい。本当の事を知りたい。
でないと、いつまで経っても自分の気持ちが落ち着かなくて、同じところを何度もグルグルと回ってしまう。

「…………」

馬鹿みたい、あたし。

そんな事を心の中で静かに呟きながら、あたしは小さな笑みを一つ零した。



―――次の日、今日も変わらずいつもの時間に学校を目指し、黙々と授業に育んだ。
面倒な授業もやっと4時間目に差しかかりあたしの思考は今日のお昼ご飯へとシフトする。

「じゃあ、今日は此処まで」

その教師の言葉と共に4時間目終了のチャイムが鳴り、あっと言う間に待ちに待ったお昼休みがやって来た。


「心ー、今日食堂で食べよー」

「え、あ、うん」

「あたし今日弁当持ってきてないんだよねー」と言った由希と一緒に、あたし達は一階にある食堂へと足を運んだ。