「……っ、」
不意に堪えられなくなって涙腺が緩んだ。
心の奥底では、矢沢君はそんな事をする人じゃないと思っていた自分が馬鹿みたいだ。
今の言葉を聞いて、あたしはどんどん闇の中へと落ちて行く感じがした。
「―――――ごめん、悪かった」
謝りの言葉なんかいらないよ、矢沢君。
アナタを好きになってしまったあたしは、これからどうしたらいいのか分からない。
矢沢君の事が好きだと気付いた矢先に身代わりだったと言われたあたしは、一体どうしたらいいの……？
―――――分からないよ、矢沢君。
「……やっぱり、あたしが絢さんと似ていたからなんだね…」
声が震えてしまう。
「…ああ、」
低く頷いた矢沢君のその声に、あたしは心臓がズクンとえぐられるような感じがした。
