「ずっと、俺の所為で傷付けて離れていった絢の事を忘れられずにいた。みっともねえくらいに未練たらたらで俺らしくねえだろうけど、それほど俺はアイツの事が好きだったんだ…」

「……」

胸が痛い。恋をしてしまった相手から過去とは言えそんな言葉を言われては受けとめようと思っていても心臓の痛みは止められなかった。


「……だから、絢に似ているお前を見つけて、俺は、」

そこまで言い掛けて、矢沢君はギュッと口を閉じた。顔は辛そうに歪んでいて、眉間に皺を寄せていた。

あたしはそんな矢沢君の表情と言葉の先にヒュ、と息が止まるような感覚に陥った。

ドクンドクンドクンと、心臓がハイスピードで跳ね上がる。


「―――――正直に言う」

「………」


「―――――――俺が、最初お前に声を掛けたのは、……お前が、絢に似てたからだ」


―――――ドックンと、心臓が音を立てた。