「…………」

(――――――――え…。)

一瞬、自分の目を疑った。

不意に背後から聞こえた声の主が、金髪男の手をすかさずガシっと掴む。


「……何してんだって聞いてんだよ」

何度も聞き覚えのある、低い小さな声。

「いってててて!何だよお前…!腕離せよ!」

「お前がコイツの腕を離したら考えてやっても良い」

「ああ!?ってか、お前この女の何?!」


「―――そいつは、俺の女だ」

あたしの前に立ちはだかって堂々と言い放つ、見慣れた茶髪。


「………や、ざわ君…」