何かとあたしの事を気に掛けてくれる矢沢君にあたしはつい嬉しくなって、ニヤニヤと持ち上がる口角を引き締めながら、最近出来たと言う新しいカフェへ矢沢君と一緒に向かった。


それからの数十分後。

「………お前、太るぞ」

「え、大丈夫だよー、多分」

「多分かよ」

予想以上に可愛いカフェへと連れて来てくれて、単純にテンションがヒートアップしたあたしは、つい勢いで大きな苺パフェとゆずのジェラートを一つずつ頼んでしまった。

自分で頼んでおきながら、どちらか一つにしておけば良かったと、少し後悔した。


「いただきまーす」

「喉詰まらせんなよ」

「うんっ」

低い声でそう言う矢沢君は、注文したチョコケーキをちまちまと口に運んでいる。
甘いものが苦手じゃないと言っていたとは言え、チョコケーキを食す矢沢君はちょっぴり意外だった。