駅に着き、改札を抜け、ホームへ行く。 ラッシュよりほんの少し早いこの時間。 いつものようにあの人がいた。 ホームの椅子に座りながら本を読んでいる。 髪の毛が朝陽を浴びて、茶色に光っている。 切れ長の目、薄い唇、端整な顎。 長い脚を組んで座っている。 私はそれをいつも斜め後ろから見つめる。