彼女がいつもと同じ駅で降りる。
俺の降りる駅は彼女の二つ先だ。
俺のいる方のドアに近づいてきて、電車を降りる。
すれ違う瞬間ふわりといい匂いがした。
甘い、花のような香り。
プシューとドアがしまる。
これでもう今日は彼女を見ることが出来なくなる。
まだ朝だというのに、
もう1日が終わってしまったような気分になる。
ふと下を見ると、淡いピンク色のハンカチが落ちていた。
このドアから今の駅で降りたのは彼女だけだ。
彼女が落としたのだろうか。
俺はそのハンカチを拾い上げる。
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