それは緑色なのよ当たり前じゃな い。君はやっぱりおかしいのねと 彼女がそう言ったように感じて

気持ちが伝わらないもどかしさと 彼女の余裕綽々(よゆうしゃくし ゃく)な顔がまた癇(かん)に障った

「これは緑じゃない!

僕は病室から勢いよく飛び出した

彼女の視線を背中に感じながら廊 下を一気に駆け抜けて中庭へ向か う

逃げた

僕は彼女に勝てないと思った

勝負なんてしてないのに負けた気 分だった