再度襲ってきた沈黙に今度は僕が 口を開いた

「……あの」

僕の発した声は思ったより掠れて て緊張してた

「チューリップの絵…俺まだ持っ てるんですよ」

千夏さんは少し驚いた顔で僕を見 た。

「…口調俺になってるね」そう言 って10年前と変わらずクスクス 笑った

恥ずかしくなって顔が赤く染まる のを見せないように下を向いて言 った

「そりゃ、誰だって口調は変わり ますよ」

そう言うと「まぁ、そうだね」と 言ってまた彼女はコーヒーを飲む

少し間があって彼女は思い出した かのように言った

「絵、チューリップの絵。君にあ げるよ」

私は持ってても無くしちゃうから …と前と変わらず彼女は綺麗に笑 った