左足の包帯を巻き直しながら先生 が話す。

「今回も特に以上ありませんね。 くれぐれも安静に激しい運動はし ない、出来るだけ通学は電車や車 でね。薬は引き続き忘れないよう 飲んでくださいね」

白衣の天使というが、このぽっち ゃりの女医さんのいうことはいつ も天使じみていない

「はい。」

俺の体は不良品だ

走れなくなったこの僕のなまくら な足はもうどこで使えば良いのだ ろう

「冴島先生」

資料を片付けながら俺の方を向く

「うん?何?」

俺の足はどうやったら治りますか

「あ………いや、なんでもないで す」

上手く笑えているかな

「じゃあ、佐野くんお大事にね」

先生もにっこり笑い返してくれる

誰にも非はないのに誰かに向けて 思いっきり怒鳴りたい衝動にから れる

笑うな

僕が哀しくなる