「怜先輩、少しでも俺の事意識してもらえてますか？」

「なっ…！」


何を言い出すかと思えば…

ませた事言っちゃって。

あんな事言われて、意識しないって方が無理に決まってるでしょ。


夏目君ってば、分かってるくせに聞いてくるなんて質悪い。


「どうですか？」

「そりゃ…あんな事言われたら意識しちゃうでしょ」


今だって、こうして面と向かって話してるのだって限界に近いのに…

夏目君は全然普通だし、むしろ落ち着きすぎてるよね。


これが、恋愛上級者と恋愛初心者の差ってやつなのかな？

ちょっと複雑だなぁ……


「良かったです。少しでも意識してもらえてて」


ホっとしたような顔をしてる夏目君は、少しだけ緊張してるみたいだった。

意識してるのがあたしだけじゃないみたいで、ちょっと安心したり。


落ち着いてるように見えたのも、もしかしたら夏目君も無理に平然を装ってみてたのかな？