「そういう怜は信じてるの?」

「うーん……、
"運命"はあるのかなって信じてたいって思ってる」


そういう現実離れした事があるなんて、って疑ってる自分もいるけど、それでも運命があると信じたいと思ってる自分がいる。


出会うべくして出会った2人みたいな、そんな事にちょっぴり憧れたりもする。


でも、恋にいまいち感心のないあたしは、きっと恋なんてできないんだろうと思っているけど……


でも、さっき夏目君に言われた言葉が頭から離れなくて…


その言葉を思い出すだけで、頭から湯気が出そうな勢いだ。


「う〜……」

「あはっ。怜が唸ってる!でもそんな怜も可愛いわ」

「むぅ…」


頬をぷくぅーっと膨らまして拗ねてるように見せると、「そんなしても可愛いだけだよ」と言って、頬をツンツンされる。


詩織ってば、真剣に考えてくれてない。

あたしばかりさっきの言葉を意識しすぎてるみたいで、馬鹿みたい…


「怜は、難しく考えすぎなんだよ」