――…


「ど、どうしよう…!」


さっき夏目君に言われた事が、頭から離れない。

夏目君が嘘を付いているようには見えなかったし、あれはもちろん本当で。

でも、未だに信じられない……。


だって、あたしだよ?

特に何の取り柄もない、このあたしが、人気者の夏目君に好かれる!?

何度考えてみても、信じられなくて、その繰り返し。


「怜、落ち着きなって」

「だ、だって…」

「夏目君の気持ち、ちゃんと考えてあげなよね?」


考えてあげろって言ったって、夏目君の事を男として見た事なかったから……

いきなり言われても分からない。


でも、人としては嫌いじゃない。


何て言うか……、夏目君といると安心して、心が温かくなって、隣にいるとしっくりくる。