「こうやって寄り道できるなんて…俺、すげー嬉しいです!」


隣ではしゃいでる夏目君を見ていたら、こういうのも悪くないって思えてくる。

こんなに喜んでくれる人がいるんだって思うと、嬉しくて胸の奥がキューっとなった。


心の中が、ジワっと温かくなった。


歩きながら話していると、あっという間にクレープ屋に着いたみたい。

行列が出来ていて、しかも男女カップルが多いような……?


「あ、怜先輩見てください!」


夏目君が指さした方を見ると、旗には"カップルの日"と書いてあった。

それって、何の日?


「先輩は何食べますか?」

「えーと……チョコバナナ」


種類が豊富すぎて悩み過ぎたあたしは、定番のものを選んだ。

夏目君はと言うと、苺ミルフィーユという可愛らしいクレープを頼んだみたい。

……本当、期待を裏切らないよね。


これって普通選ぶの逆の感じするけど、夏目君は違和感ないもんね。