「怜先輩、行きましょ?」

「あ……、うん」


夏目君に声をかけられて、ハっとして現実に戻った。

とりあえず人は少ないとしても、教室だと目立つから移動しなきゃ……


夏目君の隣にいると、嫌でも目立っちゃうからなぁー。


それにしても、隣に並んで歩くって学校じゃ初めてだから新鮮かも。

いつも、夏目君は目の前か後ろから声をかけたりしてたからね。


あまり意識はしてなかったけど、やっぱり夏目君も男だから身長高いよね。


「怜先輩と一緒にクレープ食べに行けるなんて思ってなかった」


そりゃ、ね?

あたしだって、まさか夏目君とクレープを食べに行くなんて思ってもいなかったよ。

まさに予想外。


それに詩織が騒いでなかったら、今頃新しくクレープ屋が出来た、なんて知らなかったかもしれないしね。