…やっぱり。
テニス部に入りたいんだ。
でもどうして忠宏が私と力人とわざわざ同じ部活に入りたいのかが謎だ。

「あのよ、俺と静良をお前が入りたいテニス部に誘おうとしてるなら、もっとマシな誘い方したらどうだよ」

力人の言葉に対して私は、それは少し忠宏に対しての言い掛かりじゃないかと思い、何とか忠宏の方をフォローしようと口を開いた。

「力人、忠宏はきっとそんなつもり無いよ。ねぇ?忠宏」

私の言葉に忠宏はまた大きく頷く。

「ああ、静良の言う通りだ。
しかし」

しかし?

「静良、そう言えばアニメ声優を目指してたよね?」

「ん、そうだけど…それがどうしたの?」

突然の忠宏の質問に、全く意味が分からない。

「そうだ、静良。テニス部に入部すればだな、肺活量が鍛えられ、そして、精神も鍛えられ、声優に最も適した身体能力を得る!声優になりたければ演劇に入るよりテニス部に入る方が良いトレーニングになると思わないか!!」

「・・・」

結局テニス部に誘う気満々じゃねーか!