数字の書き間違いで、おかしくなってる。

単純なミス。


「ん……?何でここにこんな数字が入るんだ?」


やっぱり気付く先生。そして、


「小谷、ここまで解けてるなら、口頭でいいから訂正してやりなおしてみろ」


そんな言葉にヤバイ……と思う。

後ろで小谷さんは起立したものの、


「え、え~……っと……」


言葉を詰まらせてしまってる。

どうしよう。どうしよう。

書き直して、メモを渡せばいいのかな……?

でも、先生にバレたらマズイし……


「おい、小谷。なんでここまで出来ていて答えが出てこないんだぁ?お前、誰かの写したんじゃないだろーなぁ」


うわ……まずい。


「え~…えっと~…」


小谷さんが、返す言葉に困っていると、


「あーもういい。時間があまりないから、先生が解いていくぞ~。小谷はもう座って。次からちゃんと自分で予習してくるように」


そう言うとミスを訂正して、黒板に続きを書いていく先生。

ガタッと、後ろで小橋さんが席についたのがわかる。