私は正直に、
「ごめんなさい……予習してなくて……」
そう言って謝る。でも、小谷さんはすかさず、
「じゃあ、今から解いてノート見せてくれない?私、数学ニガテなんだよね」
と言ってくる。
「え……っ」
今から?私が解かなきゃいけないの??
嫌だよ。と心の中では思ってる。でも……
「わ、わかった。急いで解いてみるね」
承諾してしまう私。
だって、断るのがこわい。
断る勇気がない。
「ホント?良かったぁ~浜崎さん頼りになるね」
小さな声で上機嫌に言う小谷さん。
〝頼りになる”って言葉は少し嬉しかったり。
でも、数学って私もあまり得意じゃないんだ……
だけど引き受けた以上、解かないわけにはいかない。
小谷さんからお願いされた、二次方程式の問いを急いで解き始める。