私は―…


「月島先輩―…っ!」


月島先輩の背中に向かって、大声で叫んでいた私。

その声でピタリ、と月島先輩の足が止まってくれる。


「私―…ちゃんと決心しましたから……綾さんのこと助けてあげてください……っ!!」


気持ちを振り絞って月島先輩に叫ぶ。

この言葉の意味は私以外にはわからない。

月島先輩に叫んでも、何のことだかわからないのに―…

私は叫んでいた。


「海音ちゃん……?」


直ぐ側で小栗先輩が呟く声が聞こえた。

そして、月島先輩は、


「後で連絡するから待ってろよ……」


そう言うと、また私から遠ざかっていった。